【解説】 紫微斗数精成 命盤

紫微斗数の根幹である「命盤」の作成方法について解説していきます。

原文はnote記事第二章 紫微斗数(しびとすう)の命盤作成方法にあります。

目次

第二章 紫微斗数の命盤作成方法

紫微斗数の根幹である「命盤」の作成方法について解説していきます。

命盤の作成には、対象者の正確な生年月日と出生時刻不可欠です。

確かに、命盤の作成方法として1から「ここに紫微星をおいて…」とやるのも良いですが、時代は令和なので命盤作れるアプリとかでサラッと作るのをおすすめします。

命盤作成における定義とルール

命盤を作成する上で、いくつか知っておくべき独自のルールがあります。曖昧な理解は、後の解釈に影響を及ぼすため、一つずつ正確に押さえていきましょう。

年の定義:起点となるのは「旧暦元日」

まず、年の区切りですが、紫微斗数では「旧暦の元日(正月一日)」を新しい年の起点とします。

月の定義:節入りは考慮しない

月の考え方も同様に、旧暦の生まれ月の数字をそのまま基準とします。

月の始まりは「一日(ついたち)」です。四柱推命のように、毎月の「節入り」を考慮する必要はありません。

数字を用いる星の配置

命盤上に「命宮」や各種の星を配置する際、干支ではなく、単に対応する数字のみを用いて配置する場面が多くあります。例えば、命宮、身宮、あるいは紫微星などを配置する場合がこれに該当します。ここでも節気の到来は関係なく、旧暦の何月何日に生まれたか、という事実のみが用いられます。

なお、生まれ月と十二支の宮の対応関係は、正月は寅宮、二月は卯宮というように、一対一で固定されています。これは機械的に当てはめてください。

時刻の定義:四柱の時柱を基準とする

出生時間に関する星を配置する際は、四柱推命のルールで算出した「時柱の地支」が基準となります。

夜中の時刻の区切りについては、注意が必要です。

  • 24:00(0:00)ちょうどまでに生まれた場合 → その日の晩子(ばんし)として扱います。
  • 24:01(0:01)以降に生まれた場合 → 翌日の早子(そうし)として扱います。1分の差で日付が変わる、という認識で問題ありません。

※時間についても流派ごとに違います。この資料は24時を境目にしていますが、地支で考える場合は23時が日の境目になるという考え方もあります。

特殊なケース:閏月(うるうづき)の扱い

数年に一度存在する閏月生まれの場合は、ルールが二つに分かれます。

  1. 命盤を作成する場合閏月に生まれた場合は、次の月として配置します。例えば、閏五月生まれは六月生まれとして命盤を作成する、ということです。
  2. 特定の運勢(斗君・流月)を推算する場合これは応用的な手法ですが、未来の運勢を見る際には、閏月を前半と後半に分け、それぞれを前後の月に含めて判断する方法が用いられます。現段階では、そのような手法も存在する、とだけ覚えておけば十分です。

閏月生まれの人の命盤は、正確さが劣ることがある、という説もあります。もし作成した命盤が本人の実感と合わない場合は、このルールを試してみる価値はあるでしょう。

※閏月の処理に関しては流派で異なります。一概にこれが正しいとかないと思います。閏月を前月に含める「帰月法」など様々です。ややこしいので極めている方以外アプリでいいと思います。

出生時刻が不明な場合の推定方法

正確な出生時刻が不明な場合、占いの精度は著しく低下します。ですが、完全に諦める前に、いくつか推定方法を試すことができます。

① 睡眠時の姿勢による判別
  • 仰向けを好む:子・午・卯・酉 の刻
  • 横向きを好む:寅・申・巳・亥 の刻
  • うつ伏せを好む:辰・戌・丑・未 の刻
② 小指の長さによる判別

薬指の第一関節の線と比較します。

  • 小指の先端が線より高い:子・午・卯・酉 の刻
  • 小指の先端が線と平行:寅・申・巳・亥 の刻
  • 小指の先端が線より低い:辰・戌・丑・未 の刻
③ 身体的特徴による判別
  • 子・午・卯・酉:頭のつむじが中央。顔や体は丸みを帯びる傾向。
  • 寅・申・巳・亥:頭のつむじが左寄り。体つきは豊満で、顔は四角い傾向。
  • 辰・戌・丑・未:頭のつむじが右寄り、または二つ。体はすらりとした傾向。
④ 出生順による判別

兄弟姉妹の中での出生順にも傾向があるとされています。

  • 子・午・卯・酉:男性は1,4,7番目、女性は2,5,8番目
  • 辰・戌・丑・未:男性は2,5,8番目、女性は3,6,9番目
  • 寅・申・巳・亥:男性は3,6,9番目、女性は1,4,7番目

これらの方法を複数組み合わせ、最も合致する項目が多い時刻を候補とします。実践上は、②と③の確度が比較的高いとされています。

なんだかんだ、依頼者の思い出話を聞きながら逆算で出していくのが一番正確だと思いますが割と骨の折れる作業なので注意です(笑)

骨折り作業の行方

推定法はあくまで補助的なものです。

やはり一番重要なのは、作成した命盤と、本人の実際の人生で起きた事象を照合するという検証作業です。

命宮の主星が示す性格や容貌、特定の星が入る宮の意味、そして過去の重要な出来事が起きた時期。これらを一つずつ検証し、命盤との一致点を確認します。もし不一致がある場合は、一つ前後の時間帯で命盤を再作成して比較検討するべきです。

この地道な作業こそが、占断の精度を格段に向上させるのです。

ちなみにしびこの座右の銘は「細部に神は宿る」です。

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