【解説】 紫微斗数精成 命盤作成手順


紫微斗数の根幹をなす「命盤」について、その構造と役割を解説します。

原文はnote記事第二節 紫微斗数の命盤作成手順にあります。

目次

第二節 紫微斗数の命盤作成手順

紫微斗数において最初に直面するのが「命盤」という概念です。多くの専門書が当然のようにこの言葉を使いますが、その本質を理解しているでしょうか。

命盤の基本構造

命盤とは、この図が示すように、十二の宮(部屋)で構成された円盤です。

この空白の盤に、個人の生年月日と出生時間というデータを用いて、定められた法則に従い星々(星曜)を配置していく。

そうして完成したものが、その人固有の命盤となります。極めてロジカルです。

命盤を構成する三つの層:天盤・人盤・地盤

さて、ここからが本質です。

一枚に見える命盤は、実は三つの異なる次元の情報を持っています。それが「天盤」「人盤」「地盤」です。

それぞれが持つ意味は全く異なります。一つずつ見ていきましょう。

  1. 天盤:個人の静的な盤面
  2. 人盤:運勢の動的な盤面
  3. 地盤:潜在的な深層資質の盤面

これらの区別がつかない限り、深い鑑定は不可能です。と、原文は言っています。

① 天盤:あなたの「基本設計図」

全ての基本となるのが天盤です。

これは、あなたがこの世に生を受けた瞬間に定まった、生涯変わることのない資質や運命の傾向性を示す、静的な設計図です。

あなたの性格、才能の方向性、財運のポテンシャル、人間関係の基本的な型など、根源的な情報がすべてここに集約されています。紫微斗数における分析の、絶対的な基盤となるのがこの天盤です。

② 人盤:時間の流れと「運気の波」

天盤が「静」であるのに対し、人盤は「動」、つまり時間の流れと共に変化する運勢を示します。

人生は常に一定ではありません。10年単位で変化する大きな運気のサイクル(大限)や、1年ごとの細かい運勢(流年)といった波が存在します。この動的な運命のバイオリズムを読み解くのが人盤の役割です。

天盤という設計図の上で、人生がどのように展開していくのかを予測するための情報と言えるでしょう。

③ 地盤:あなたの「隠された本質」

三つ目の地盤は、やや特殊な盤です。これは、天盤が示す表層的な性格の、さらに奥にある深層的な資質や、その人のルーツを探るために用います。

天盤が「意識できる自分」なら、地盤は「無意識の領域」と見ることもできます。例えば、社会的な顔の裏に隠された衝動や、本人も自覚していない才能の源泉など、より深いレベルでの自己理解を可能にします。

ただ、その解釈法は天盤と類似しているので、初学の段階で深く追求する必要はありません。

まずは天盤と人盤の完全な理解を優先することが合理的です。

実際の鑑定における運用

では、これら三つの盤を、鑑定の都度、個別に作成するのでしょうか。

その必要はありません。

実際の分析では、静的な天盤をベースとし、そこへ人盤の情報、つまり時期を象徴する星(流曜)を重ねて判断します。

したがって、分析に用いるチャートは実質的に一つです。煩雑な作業は発生しません。


これが、命盤の基本的な構造と、それを構成する三つの層の役割です。

この三層構造、特に静的な「天盤」と動的な「人盤」の関係性を理解することが、紫微斗数を正確に読み解くための第一歩となります。

次回は、この命盤を具体的に作成するための手順、いわゆる「排盤」について解説します。

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